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育児中は不眠になりやすい!? 眠れないママ・パパへ、専門医が伝えたいシンプルなこと

イワネン
おこせんでは、子育て期間中の睡眠の悩みについてアンケートを実施し、結果を「子育て中のパパ・ママはどうして眠れない?みんなの対応策をききました」にまとめました。そこで浮かび上がってきたのは、やっぱり多くの保護者が満足に眠れておらず、睡眠に対する悩みを抱えているという実態です。
ふーちゃん
授乳やオムツ替え、夜泣き対応などによって、子育て中のママ・パパは睡眠不足になりやすい傾向があるようですね。少しでも睡眠不足を解消するために、できることは何でしょう。睡眠の専門医である伊田瞳先生にお話を聞いてきました。

ママ・パパがしっかり眠るためにできること

ふーちゃん
育児中のママ・パパはどうして眠ることができないのでしょうか。
伊田先生
生後0~3ヵ月の赤ちゃんは3~4時間ごとに睡眠と覚醒のリズムを繰り返しているため、夜中の授乳やおむつ替えといった対応をする保護者は、まとまった睡眠時間を確保しづらくなります。
両親がシフトを組んで赤ちゃんの世話を交代で担い、お互いに睡眠時間を確保するなどの役割分担ができれば心身は楽になると思いますが、このような解決策は各家庭のライフスタイルに依存するところが大きいため、あくまでも理想的な形の一つです。
毎日は無理でも、親戚や支援サービスが来たときだけでもまとまった睡眠時間を確保する事が第一歩となります。
ふーちゃん
お子様の月齢が生後3ヵ月以上になっていても、眠れていないというママやパパも少なくないようです。
伊田先生
子育て期間中に眠れない原因は複数あります。それぞれが複雑に絡み合っていることが少なくないので原因を解きほぐしていくことは難しいのですが、対処法はごく限られています。
それは、下記の2つです。

1 赤ちゃんが眠るまでのルーティンを一定にする
2 朝に起きて夜に眠る。リズムは大きく崩さない

それぞれ、詳しくみていきましょう。

「これから眠るんだ!」と教える、おやすみ前のルーティーン

育児中は不眠になりやすい!? 眠れないママ・パパへ、専門医が伝えたいシンプルなこと

伊田先生
赤ちゃんを寝かせるためには、「これから寝る時間だよ」と教えるおやすみ前のルーティーンが有効です。絵本を読む、決まった音楽を聴くといったルーティーンを毎日寝る前に行うことによって、寝るための心の準備をさせてあげましょう。
内容はなんでもかまいませんが、赤ちゃんが興奮してしまうことやママ・パパが大変だと感じることはやめておいた方がいいでしょう。また、絵本などを読んであげると「次はこれを読んで」といったように要求がエスカレートしてくることがありますが、それには応じないようにすることがポイントです。

「昼間でも赤ちゃんが寝ているときに一緒に寝る」は誤り

ふーちゃん
「朝に起きて夜に眠る。リズムは大きく崩さない」というのはどういった意味でしょうか?
伊田先生
ママたちはよく出産前後に「赤ちゃんが寝ているときは一緒に昼寝をするように。眠れるときに一緒に寝てしまいましょう」といったアドバイスを受けていることがありますが、これは睡眠の専門医の立場からするとあまりおすすめできません。
人間はそれほど簡単に生活リズムを変えられませんし、「寝なければ」とプレッシャーを感じるほど眠れなくなるものです。
日中に質のよくない睡眠を無理やりとると夜の睡眠の質が落ちてしまいます。眠いときはお昼寝をしてもかまいませんが、短時間に留めるようにしましょう。
ふーちゃん
なるほど。お昼寝をして睡眠時間を無理に増やすよりは、できるだけ夜にまとまった時間を眠れるように調整した方がいいということですね。

赤ちゃんの夜泣きを減らすコツ

ふーちゃん
赤ちゃんの夜泣きが続くために、睡眠不足に陥っている場合はどうすればいいのでしょうか。
伊田先生
生後6ヵ月以降の夜泣きは、生理的な理由ではなく「かまってほしい」「抱っこしてほしい」といった理由であることが少なくありません。そのため生活リズムを整え、昼は活動をする時間で、夜は眠る時間だということを理解させてあげる必要があります。
赤ちゃんに生活リズムを伝える方法は、昼と夜とで接し方を大幅に変えることです。日中はどんどんかまい、あやして遊んであげると良いでしょう。一方で夜中は「塩対応」でかまいません。空腹やオムツの汚れの訴えでなければ、必要以上にかまってあげなくても大丈夫です。可能であれば、2〜3ヵ月のころから夜中のお世話は、むやみに話しかけたり目をあわせたりせず、最小限の対応に留めるようにしてみましょう。お世話をするときに、部屋を明るくしたりうるさくすることも控えてください。こうすることで赤ちゃんは「夜は眠る時間なんだ」と学ぶことができ、家族みんながよく眠れるようになります。
ふーちゃん
夜中の「塩対応」によって赤ちゃんの心を傷つけてしまうことがないのでしょうか。
伊田先生
そのような心配はいりません。気になる方は日中にとにかく存分に遊んであげると良いと思います。

育児中の「不眠」を軽視しないで

育児中は不眠になりやすい!? 眠れないママ・パパへ、専門医が伝えたいシンプルなこと

伊田先生
育児をしているママやパパが睡眠不足になることを当たり前にように考えている人は少なくありません。しかし睡眠不足は心身に悪影響を及ぼし、ときに非常に危険な事態を招くこともあります。
ある調査によれば、赤ちゃんが生まれてから6年間は親の睡眠の質が低下することが指摘されています。けれど、心身へのリスクを考えるとこれを「当たり前のこと」としないでいただきたいのです。
育児期間中であっても不眠を軽視せず、家族を頼ったり、支援サービスを利用したりするほか、自分をいたわり、快適に眠ることを大切にしてください。
ふーちゃん
睡眠不足を当たり前だと思わず、できることから心がけていきたいですね。先生、ありがとうございました。

取材協力

伊田瞳

伊田瞳

医療法人康曜会 プラーナクリニック呼吸器内科医長。2012年昭和大学医学部を卒業し、同大学呼吸器アレルギー内科助教を経て、2020年より現職。日本呼吸器学会専門医、日本睡眠学会専門医、医学博士。5歳の男の子のママ。
著書に『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策 』(KADOKAWA)などがある。

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