「おこせん」は食感教育に役立つ!?大妻女子大学で学生さんの卒業論文が発表されました
- 大妻女子大学で栄養学を学ぶ学生さんが取り組んだ、保育の現場で「食感」への感性を育む食育は行われているのか、また、お子様の「かじり取り」の能力を育てるために「岩塚のおこさませんべい」が有効なのかという調査。その結果が卒業論文としてまとめられ、発表されました。ここでは発表の資料とともに、調査を行なった学生さんお二人の感想を紹介します。
調査した大妻女子大学家政学部栄養学科のお二人
青木萌夏さん、佐藤あやさん
調査結果概略
子どもたちの健やかな心と身体の発達のためには「食べる」ことが欠かせません。厚生労働省は「楽しく食べる子ども」を育てることを目指しており、発育発達段階に応じた豊かな食の体験を積み重ね、五感を使っておいしさの発見を繰り返す経験が重要であると報告しています。ではそのために、実際に保育の現場ではどのような食育が実施されているのでしょうか。
本研究では、6つの保育園の食育の実態を把握し、特に食べ物の食感を体験させるための取り組みとその課題、また子どものたちの「かじり取り」の能力獲得の問題を明らかにしました。
ここでわかった結果は、いずれの保育園も食育やそれに類する指導は熱心に行われているものの、食感そのものを伝えたり、多様な食感を積極的に体験させる食育は少ないということです。
さらに、かじり取りの能力の獲得のために「岩塚のおこさませんべい」を活用した食育が問題解決に向けた取り組みになるか検討。複数の栄養士と保育士から食感教育に「使えそうである」という返答を得ました。
発表の資料はこちら:
保育園児の食感獲得の課題と「おこさませんべい」の活用について
調査を終えて。学生さんたちの考察と感想
- 今回の調査を通じて、どのようなことがわかりましたか?
青木 「食感への感性を育むことが大切だと思うか?」と訊ねると、多くの保育園の栄養士さんから「大切だと思う」という回答を得ました。どの栄養士さんも味や栄養だけでなく、食感への感性を高めることがお子様の食体験を豊かにすると考えていたんです。
一方で、食感への感性を高めるための食育は多くの園が実施できていませんでした。やはり誤嚥の危険性を考慮し、安全を第一に考える幼児保育では、「食べる」食育はリスクがあるように感じていいます。
佐藤 しかしながら、調査や交流を進めるうえで「おこせん」がかじり取りの練習に有効で、食感への感性を育むために有用であることがわかってくると、多くの園で食感の食育に対する姿勢が前向きなものになっていきました。
もともと「おこせん」は安全であるという認識は多くの園であり、さらにお子様も好きな味であるため導入しやすいと考えたのだと思います。
青木 調査の前は、食育のなかで「食感」について学ぶことは当たり前に行われていると思っていたため、実際にはほとんど行われていなかったことには驚きました。 「おこせん」が利用できることを、もっと多くの方に知ってほしいと思います。
「おこせん」はかじり取りの練習ツールとして有用だった!
佐藤 今回の調査を通じて、一つの食品が実は多方面で役立てることができるということもまた興味深かったです。「おこせん」は補食にできるだけでなく、かじり取りの練習材料としても用いることができるんです。
青木 調査はオンラインインタビューを中心に行いましたが、1園だけ、実際に足を運んで保育の現場を見せてもらいました。そこで印象的だったのが、1歳になると自ら食事に興味を持つ子がいる一方、意識が散漫になりなかなか食事をしない子もいるということです。0歳のころは保育者が興味をもたせれば給食を食べることが少なくないのですが、1年後には大きく食への興味の度合いが変わってくるようです。同じ園で似た環境で育っていても成長段階によって大きな差が出るんです。幼児はどんどん発達するので、しっかり食に興味をもってもらえるよう園だけでなく家庭でも働きかけをすることが大切だと思いました。
- この度は素敵な調査をご紹介いただきましてありがとうございました。お二人の調査によって得られた結果は、お子様の食育を考える保護者の皆様、教育機関の皆様にも参考になると思います。本当におつかれさまでした!