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「おこせん」を食事がわりにしてもいい?離乳食を食べない子へのアプローチ

ふーちゃん
お子様が全然離乳食を食べてくれないという悩みをよく聞きます。保護者はメニューを工夫するだけでなく、食べさせ方やタイミングを変えるなど、あの手この手を尽くしていますが、小さなお口はなかなか「あーん」としてくれない様子……。そのような方からは「『おこせん』しか食べないけれど、おせんべいを食事がわりにしてもいいのかな」といった疑問の声が聞こえることもあります。
イワネン
「岩塚のおこさませんべい」は、お米が主原料なので、ほとんどお米を食べていると考えることができるはずですが……。
小さなお子様の食事にとって大切なことは何でしょうか。大妻女子大学で栄養学を教える川口美喜子教授とそのゼミ生のみなさんに相談してみました。

大切なことは、食べる喜びを知ること、食べ方を獲得すること

「おこせん」を食事がわりにしてもいい?離乳食を食べない子へのアプローチ

ふーちゃん
小さなお子様の食事において大切なことって何でしょうか。
川口先生
まずお子様がどのように離乳食を食べるのかを考えてみましょう。一番最初の離乳食は水分の多いドロドロした形状のものです。それがだんだんと固形に近づいていき、最後は大人と同じような食事を食べるようになります。
これは、お子様が口の機能を発達させるからできることです。舌を動かして飲み込むこと、口を閉じてもぐもぐと口を動かすこと、歯茎や歯を使って咀嚼をすること。それらはすべて日々食事をすることで少しずつできるようになっていきます。
つまり、まず大切なのは食事のための機能を発達させることです。

赤ちゃんはできるようになるから発達する

学生Yさん
そのためにはお子様に食事は楽しいと感じてもらうことが必要だと思います。食事はこれから一生続けなくてはならないこと。食事を楽しむことは元気に生きることにつながります。
食事を楽しんでもらうためには、好奇心を引き出すことがポイントです。ミルクとは異なる食材を見て、触って、嗅いで「これはなんだろう」と考えてもらうといいと思います。

栄養バランスも大事だけれど……

ふーちゃん
栄養バランスはいつごろから気にした方がいいのでしょうか。
川口先生

ミルクなどを飲んでいる段階であれば、食事でバランスよく栄養を摂れるようになるのはまだ先のことと考えて大丈夫です。離乳食期はとにかくいろいろな食材に触れることを重視しましょう。それらを自らの手で掴むこと、口元へ運ぶこと、歯で噛りとることといった経験を積み重ねさせてあげます。

離乳食完了期にはトータルで1日900キロカロリーの摂取を目指します。このときには栄養素というよりもさまざまな食品を摂ることを意識するといいと思います。味覚を獲得させることで、食べる楽しみを一層感じさせてあげられるようにしましょう。

「おこせん」を食べた分は主食を食べたことにしていいのでは?

「おこせん」を食事がわりにしてもいい?離乳食を食べない子へのアプローチ

ふーちゃん
いろいろな食材を与えてみても食べない場合はどうしたらいいでしょうか。
川口先生

食べさせることに一生懸命になりすぎなくても大丈夫ですよ。いつかは必要量を食べてくれるようになります。私の子もどんなに工夫しても野菜を食べませんでしたが、いつの間にか食べるようになっていました。「食べなさい」と強要せず、毎日食卓に出し続けたことがよかったのかもしれません。今では玉ねぎスライスもなすの天ぷらも大好きです。

もちろん、できることならご飯も豆腐もお浸しもバランスよく食べてもらいたいところではありますが、このころにはとにかく食べることを習慣づけることが優先です。「おこせん」しか食べなくてもひとまずは大丈夫。少しずつそこに野菜やレバーのペーストをつけたりして食べられるものの範囲を広げていければなおよしです。

公には理想の食事が語られるものですが、思い通りにいかないのが育児です。どうにかこうにかできることをやっていくしかありません。「おこせん」の主原料はお米ということですから、「おこせん」を食べた分は主食を食べたということにしても悪くはないのではないでしょうか。日本人は主食にご飯を食べることが多いですが、それが芋だったりバナナだったりする地域もあるわけです。主食の形が違うことに何の問題があるのでしょう。
足りない栄養はできるときに補っていけば大丈夫。毎食バランスよく食べることは、小学校に入るころまでにできるようになればいいんです。お子様の成長は長い目で見守りましょう。

学生さん
「がんばれ!野菜家族」は野菜の味が、「がんばれ!小魚家族」は小魚の味がちゃんとします。もしかしたら「おこせん」で慣れさせることで、だんだんと野菜や小魚を食べるようになるということもあるかもしれませんね。

罪悪感をいかに払拭するか

ふーちゃん
とはいえ、やっぱりお菓子を食事にすることには抵抗があります。
川口先生
その罪悪感をいかに払うかが大事なようですね。先ほどもご説明した通り、主成分が米なので現実的にはそこまで大きな問題はないわけです。その罪悪感をどうしたらいいのか、これから私たちも一緒に考えていきたいと思います。きなこペーストをつける、サンドイッチ風にするというのも手段かもしれませんね。「おこせん」は口溶けがいい分、噛むことがまだ苦手で負担を感じている場合は、喜んで食べてくれるわけですよ。それを食べるのであれば、使わない手はありません。成長は一人一人違うので、次のステップの食材や料理を食べる準備に少し長い時間をかけてあげることも大切です。

味覚を育て、つかみ食べの練習にも役立つのが「おこせん」

ふーちゃん
そんなときには「おこせん」が役に立ちますよ。「おこせん」は、モグモグ期には食べることができますし、自分でものをつかむ練習にもなります。丸いものも細長いものもあるので、様々な形状のものを食べる練習にもなるんですよ。あくまでも補食(おやつ)ではありますが、とっても優秀な食品です。
また、子どもの行動はとても正直。どんなに「発達に良いから」と言って与えても美味しくなければ食べません。本物のお米の味がする岩塚製菓の「おこせん」でお子様の身体感覚と味覚を育ててあげてください。
イワネン
なるほど。先生のお考えはよくわかってきました。とにかく食べることが大切な時期において、おこせんはときに食事としても役に立つと……。
この先はアンケート調査等を通してさらに考えを深めていきたいと思います。
川口先生、ゼミ生のみなさんありがとうございました。

取材協力

川口美喜子

川口美喜子

大妻女子大学 家政学部 教授
大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業、管理栄養士取得したのち、島根大学医学部で博士(医学)学位を取得。専門はがん栄養、食育、スポーツ栄養、高齢栄養。 管理栄養士の卒後教育、在宅介護における食事の指導、新宿区の子どもたちを対象とした「食とスポーツ」の支援、千代田区在住者・就労者のための妊活食支援などを精力的に行う。
著書に『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院)、『いっしょに食べよう フレイルを予防し、老後を元気に暮らすためのらくらくメニュー』(木星社)などがある。

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