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離乳食のステップアップはどう進める?医学博士からのアドバイス

ふーちゃん
離乳食の進め方って難しいわよね。どんな風にステップアップさせたらいいのかわからないもの。
イワネン
そうですね。悩まれている親御さんは多いようですよ。
ふーちゃん
月齢的にはモグモグ期になったはずなのに、なんだかまだうまくいかないのよ。
イワネン
それでは、離乳食の進め方について管理栄養士・医学博士に聞いてみましょうか。大妻女子大学 家政学部 食物学科の川口美喜子教授、よろしくお願いします!

自力で食べられるようになることは、実はとってもすごいこと

ふれあいが赤ちゃんの学習を促す?「情愛的接触」ってなんだろう

ふーちゃん
先生、離乳食のステップアップをスムーズに進める方法はあるんですか?
川口先生
風花さん、焦ることはありませんよ。
そもそもミルクだけを飲んでいた赤ちゃんが自分で物を食べられるようになるということはとっても大変なことなんです。
よく考えてみてください。食べ物の硬さや大きさ・形に合わせて顎や舌を動かすこと、口元まで食べ物を持っていくこと、スプーンを握ってすくいとること。どれも経験のなかった赤ちゃんにとっては簡単なことではないんです。
でも心配することはありません。赤ちゃんは少しずついろいろなことを学びながら、いつか自力で食事をするための準備を進めているんです。

赤ちゃんはできるようになるから発達する

ふーちゃん
なるほど。赤ちゃんはどんな風に自力で食べるための準備をしているのですか?
川口先生
実はまだまだミルクや母乳だけを飲んでいるころから準備をしているんです。赤ちゃんは、生後2カ月ごろになると指やおもちゃをしきりに舐めたりしゃぶったりするようになりますよね。これによって口腔内の感覚が育っているんです。乳首以外のいろいろな物を口の中に受け入れていく練習をしているんですよ。
ふーちゃん
おもちゃを舐めるのにも意味があったんですね……!
川口先生
そうなんです。だからおもちゃを舐めることを止めさせてしまうと、口腔の発達に遅れが出てしまうことがあるんです。
歯科口腔科では、口の発達が遅れている赤ちゃんには数カ月前に経験すべきことを改めて体験してもらっています。赤ちゃんは、能力よりも高いハードルを超えることで発達するわけではありません。できるようになるから発達するんです。

離乳食のステップアップは無理をしないで。難しければ一つ前に戻るのが基本

ふーちゃん
離乳食は、すりつぶしたものを飲み込むゴックン期、舌で食べ物をつぶすモグモグ期、大人の食事に近づくカミカミ(パクパク)期の順でステップアップするとききます。先生の説明ですと、ゴックンが上手にできないのなら、たとえ月齢的には多くのお子様がモグモグ期に以降している時期でもステップアップはしない方がいいということでしょうか。
川口先生

そうなんです。まずはお子様がそれぞれのステップで必要な能力をしっかり獲得することが大切なんです。

以下に、ステップアップの目安をお伝えしますね。

ゴックン期では口を閉じて飲み込むことを獲得する

多くの場合、生後5カ月から6カ月ごろのお子様はゴックン期にあたります。このときに獲得したい力は、スプーンで食べ物を口に入れてもらったら、きちんと口を閉じてものを飲み込むこと。とくに水分はすすらなくてはならないため難しいですが、じっくり練習をさせてあげましょう。

ゴックンができるようになってからモグモグ期へ。物をつかむ練習もできるように

生後7カ月から8カ月になると、モグモグ期に移行することが多いですね。このときには、口や舌を動かす力を養います。口の中は左右対称に動かすこと、食べ物の硬さを把握して飲み込めるものだけをゴックンすることができるようになるといいでしょう。自分の力で椅子に座り、上半身を支えられるようになることも大切です。
このとき上手に口を閉じてものを飲み込むことができないようであれば、一度ゴックン期の食事に戻してあげましょう。まだゴックン期で養うべき力が充分獲得できていないというこです。

モグモグ期のころには、徐々に目と口の反応が連動してくるようになります。食べ物に興味・関心を示す子であれば、大人が目の前に持ってきたものを自ら口にもっていこうとするでしょう。また味覚も育ってくるころです。醤油や砂糖といった調味料を使って味の変化をつけてあげるといいでしょう。

モグモグ、ゴックンを獲得する期間は、食事を介助するお母さんや家族も笑顔でお口を大きく動かしてモグモグ、ゴックンしながら子供とコミュニケーションを持ちましょう。

手で食べ物をつかむ練習をさせられるのもこのころから。バナナや「おこせん」などをわたしてみましょう。はじめは力加減がわからず食べ物を握りつぶしてしまうかもしれませんが、それで構いません。練習を繰り返すうちに、少しずつ感覚を掴んでいくようになります。

全身の協調性が育つカミカミ期

モグモグ期で口がしっかり動くようになったらカミカミ期へ移行します。生後9カ月から11カ月ごろで移行するお子様が多いようです。
このころには歯茎をつかって食べ物をすり潰せるようになるので、柔らかく煮た野菜などをどんどん食べさせてあげましょう。スティック状のものを持つこともできるようになっているはずなので、つかみ食べを通して全身の協調性の成長を促してあげるとよいでしょう。
一方でこのころに口の中に入れたものを丸呑みしているようであれば、一旦モグモグ期の食事に戻してあげるといいかもしれません。口をモグモグと動かす力がまだ獲得できていないからです。口をしっかりと動かす様子が観察できれば再度カミカミ期の食事に進めて大丈夫です。

18カ月からはいろいろな味や硬さに挑戦させよう

咀嚼がすっかり上手になった18カ月以降は、柔らかいものだけでなくさまざまな硬さの食べ物に挑戦させましょう。いつまでも柔らかい食べ物ばかりを与えていると、咀嚼する力を獲得できなくなってしまいます。大きなものは前歯でかじり取ること、飲み込むためには臼歯ですりつぶすこと。これらの力は、さまざまな形や感触の異なるものを与えることで発達していきます。 親御さんが食べてみて、本当に美味しいと思えるものを与えることも大切ですよ。味覚は3〜4歳までにできると言われています。本当に美味しいものを味わって食べる喜びを教えてあげることは、お子様の将来の幸福度に影響することでしょう。

ふーちゃん
本当に美味しいものって、別にウニとかステーキといった贅沢な食材ではないですよね?
川口先生
味が濃いものを与えるのはまだ早いですよ。旬の野菜や国産のお米などをあげるといいですね。

味覚を育て、つかみ食べの練習にも役立つのが「おこせん」

ふーちゃん
そんなときには「おこせん」が役に立ちますよ。「おこせん」は、モグモグ期には食べることができますし、自分でものをつかむ練習にもなります。丸いものも細長いものもあるので、様々な形状のものを食べる練習にもなるんですよ。あくまでも補食(おやつ)ではありますが、とっても優秀な食品です。
また、子どもの行動はとても正直。どんなに「発達に良いから」と言って与えても美味しくなければ食べません。本物のお米の味がする岩塚製菓の「おこせん」でお子様の身体感覚と味覚を育ててあげてください。

取材協力

川口美喜子

川口美喜子

大妻女子大学 家政学部 教授
大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業、管理栄養士取得したのち、島根大学医学部で博士(医学)学位を取得。専門はがん栄養、食育、スポーツ栄養、高齢栄養。 管理栄養士の卒後教育、在宅介護における食事の指導、新宿区の子どもたちを対象とした「食とスポーツ」の支援、千代田区在住者・就労者のための妊活食支援などを精力的に行う。
著書に『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院)、『いっしょに食べよう フレイルを予防し、老後を元気に暮らすためのらくらくメニュー』(木星社)などがある。

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