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焦らなくて大丈夫!離乳食を食べない赤ちゃんに向き合うコツと心構え

ふーちゃん
私の友人の赤ちゃんはまったく離乳食を食べようとしないそうなのよ。同じ月齢の赤ちゃんはどんどんモグモグ期やカミカミ期移行しているなかで少し焦っているみたい。
イワネン
ママ・パパは悩んでいるでしょうね。どんなことができるのか、専門家に聞いてみましょう。
栄養の専門家である札幌保健医療大学 保健医療学部教授の川口美喜子先生に教えてもらいました。

離乳食を一口も受け付けない場合は?

ふーちゃん
頑張って用意した離乳食を一口も食べてもらえないとなると、ママやパパの心が折れてしまいそうです。
川口先生
最初にお伝えしておきたいのは、離乳食の開始時期をとうに過ぎていて、それでもまったく食べないお子様に対しては、個別指導が行われるということです。
医療機関や保健センターで相談し、専門家とともに取り組んでいくようにしましょう。一人で抱え込みすぎず、周りのサポートを得ながらおおらかな気持ちで取り組んでいきましょうね。

離乳食を食べる準備は本当にできている?

ふーちゃん
医療機関などに相談する前に、自宅でできることには何がありますか?
川口先生
この先は、お子様が離乳食を食べないことでお悩みの皆様へ向けて、汎用的なアドバイスをしますね。
そもそも母乳やミルクしか口にしていなかった赤ちゃんが、別のものを口に入れ飲み込み消化するということは、これまで体験していないことを始めていくので大変なことなのです。
お子様はその準備が十分にできているでしょうか。首はしっかりとすわっていますか?
よだれはたくさん出ているでしょうか?舌を出したり引っ込めたりして遊んでいますか?
一般的に離乳食の開始時期は5ヵ月から6ヵ月ごろと言われますが、赤ちゃんの発達はその子によってまちまちです。まだ、十分に離乳食を食べられる準備ができていなさそうであれば無理はさせず少し待ってみましょう。

ミルクに近いものから慣れてもらう

離乳食を断固拒否!まったく食べようとしない赤ちゃんにできること

イワネン
離乳食を用意するうえでのアドバイスはありますか?
川口先生
離乳食は重湯を経てだんだんと米の割合が多い粥へ移行し、それから人参やかぼちゃなどの繊維質の柔らかい野菜のペーストを与えることが多いと思います。けれど、粥もペーストも赤ちゃんにとってはまったくの未知のもの。好奇心が旺盛な子であれば難なく口にすることもありますが、いきなり食べるように言われても困ってしまうかもしれません。
赤ちゃんがそれまで口に入れていたものといえば、母乳やミルクです。まずは安心して口に食べ物を入れてもらえるよう、ミルクと粥を混ぜるなど、ミルクの味に近づけてあげましょう。それから白湯にとろみをつけるなど、少しずつミルクでないものにもチャレンジしてもらうようにします。

いきなり口に入れないで

ふーちゃん
食べさせ方についてはどうですか?
川口先生
もちろん食べさせ方にも工夫が必要です。未知の物体がいきなり口に入ってきたら誰でも怖くなって吐き出したくなるもの。赤ちゃんも同じです。まずは離乳食を下唇の上にちょんと乗せて、赤ちゃんに舐め取ってもらうようにしてみましょう。口の中に入れるのは赤ちゃんが少しずつ食べ物に慣れてきてからで大丈夫。口を閉じたらそっとスプーンを抜き取ってあげるようにします。

赤ちゃんが食べなかった離乳食は親が目の前で食べてみよう

ふーちゃん
離乳食に興味を示さない赤ちゃんにはどのようなアプローチがあるのでしょうか。
川口先生
赤ちゃんが食べなかった離乳食は、ママやパパが赤ちゃんの目の前で食べてみるといいでしょう。「こんなにおいしいのに、食べなかったのね」などと話しかけると少しずつ食べ物に興味を持つかもしれません。「離乳食を拒否され続けているときはどうしたらいい? 栄養のプロフェッショナルに聞きました!」でも紹介しましたが、食べ物で遊ばせてみることにもぜひチャレンジしてみてくださいね。

焦らない・怒らない・気にしない

離乳食を断固拒否!まったく食べようとしない赤ちゃんにできること

ふーちゃん
離乳食を進めるうえで最も重要なことは何でしょうか。
川口先生
とにかくママやパパがどーんと構えて焦らないことです。保護者のイライラは赤ちゃんに伝わりますから、焦って食べさせようと困った顔や言葉を投げかけても理解できない上に、離乳食の時間が赤ちゃんにとって苦痛を覚える時間になってしまいます。
食べない日があっても大丈夫。「食べなくても当たり前」「食べればラッキー」ぐらいに思っておおらかに構えることが、離乳食チャレンジでめげないコツです。
離乳食をステップアップさせる3か条は「焦らない・怒らない・気にしない」。
どうしても食べないときは、7ヵ月以降は主食の代わりに「おこせん」を与えてみても良いでしょう。
体重が落ちてきているのでなければ基本的には問題はないので、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんの成長を温かく見守ってあげてください。
ふーちゃん
なるほど、友人にも伝えてみます。
先生、ありがとうございました。

取材協力

川口美喜子

川口美喜子

札幌保健医療大学 保健医療学部 教授、大妻女子大学 家政学部 特任教授、島根大学医学部 特別協力研究員。
大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業、管理栄養士取得したのち、島根大学医学部で博士(医学)学位を取得。専門はがん栄養、食育、スポーツ栄養、高齢栄養。 管理栄養士の卒後教育、在宅介護における食事の指導、新宿区の子どもたちを対象とした「食とスポーツ」の支援、千代田区在住者・就労者のための妊活食支援などを精力的に行う。
著書に『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院)、『いっしょに食べよう フレイルを予防し、老後を元気に暮らすためのらくらくメニュー』(木星社)、『100年栄養』(サンマーク出版)などがある。

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