産前・産後の生活を支え、家族の心に寄り添う「ドゥーラ」って?
- 先日、友人に待望の赤ちゃんが生まれたのだけれど、初めての育児にとても苦戦しているみたい。全然眠れないし、食事もちゃんと取れないんですって。せめて気持ちだけでも明るくいようと努力しているみたいだけど、イライラしたり突然悲しくなったりして辛い生活を送っているみたい。どうしてあげたらいいのかな。
- ドゥーラを紹介して差し上げたらいいかもしれません。
- ドゥーラ? なあに、それ。
- 産前産後のご家族をサポートしてくれる職業のことですよ。まだ日本での知名度は高くありませんが、北米などではドゥーラが産後のお母さんを支えることが多いんです。日本でもサービスが広がってきているので、サポートの依頼を検討してみてもいいかもしれません。
- ベビーシッターさんや助産師さん、家事代行の方とはちがうの?
- そうなんです。詳しくはドゥーラ協会認定ドゥーラのひらつかけいこさんに聞いてみましょう。
お話をうかがったのは……
ひらつかけいこさん
二児の母。官公庁で働いていた25歳のときに出産し、生後4カ月の子を保育園に預けて社会復帰。スケジュール的にも体力的にも無理のある生活のなかで、理想と現実の乖離に悩まされた。官公庁を退職後は保育園やカフェの立ち上げ、運営等に携わる。自身の経験を踏まえて産後の親がサポートをしたいと考えるようになりドゥーラとなった。
(社)日本プロカウンセリング協会認定2級心理カウンセラー養成講座修了
(社)日本胎内記憶教育協会 基礎講座修了
(社)生活哲学学会 生活・地域ファシリテーター 第1期修了
ドゥーラって何?
- ひらつかさん、よろしくお願いします。
ドゥーラってまったく聞き慣れない言葉なのですが、そもそも何語なんでしょう?
ドゥーラとはギリシャ語で、「女性に仕える女性」を指します。現代では、女性に寄り添い、女性をサポートする経験豊かな女性という意味で用いられています。
日本では産前産後の母親に寄り添って様々なお手伝いをする人と紹介されることが多いです。助産師のシステムが衰退してしまった北米では、ドゥーラがお母さんたちを支えています。ドゥーラとは海外ではもっと一般的で、よく通じる言葉なんですよ。
- ドゥーラはどんなサポートをしてくれるのですか?
赤ちゃんのお世話や家事など、産前産後の暮らしを包括的にサポートします。医師や助産師ではないので医療行為はできませんが、産後のママたちができるだけゆっくりと過ごせるように授乳以外のことはすべて任せていただいています。
一方的なアドバイスはしない。話をじっくり聞きながら身の回りのことをケアする存在
- ベビーシッターや家事代行とは違うのですね?
そうですね。一般的にベビーシッターは赤ちゃんのお世話だけ、家事代行は掃除や料理などの家事だけを専門的に担ってくれると思うのですが、ドゥーラは授乳以外の生活・育児を全てサポートします。産後のデリケートな状態にあるママたちにじっくり寄り添い、話を聴くなど精神的なケアをすることも特長的です。
ドゥーラは「寄り添う」という教育を徹底して受けています。今のお母さんたちは自力でいろいろなことを調べていますし、授乳方法などについては助産師さんから知識をもらっていますから「ああした方がいい」「こうした方がいい」などとアドバイスをされると傷ついたり煩わしく感じる方が少なくありません。もちろん助言を求められたらお答えはしますが、基本的に話は「聴く」ことに注力しています。技術や知識を授けることでサポートするのではなく、寄り添うことで精神的な支えとなるのがドゥーラの役目です。
フラッシュバックを起こさせにくい、他人によるサービス
- 産前産後のサポートは実母や義母にお願いをする人が多いと思うのですが……。
もちろん実母や義母にお願いできる方はそれでも問題ないと思います。ただ、義母には気を使うという方は少なくないですし、実母の皆様の知識は30年近く前のものであることが多いので、育児をめぐって衝突してしまう親子は少なくありません。
また実母にサポートを依頼することで、自分が子どものときに叶えてもらえなかった「こういうことをしてほしかった/してほしくなかった」という思いが蘇り、一種のフラッシュバック体験をする方もいます。
産後はメンタルが特殊な状態になっており普段よりも心に傷を負いやすいため、トラブルを避けようとドゥーラを利用される方はたくさんいらっしゃいます。
- 実際にドゥーラのサポートを得たママたちの感想を聞くことはありますか?
産後は、ママ自身が肉体的にも精神的にもケアを必要としています。それには掃除や洗濯、食事作りといった身の回りのことだけではなく、精神的なことも含まれます。ドゥーラには誰にもいえないような秘密を打ち明けてくれるママたちもおり、数分作業の手をとめて話をきくことで顔色が随分とよくなったこともあります。
ドゥーラがママたちの気持ちを受け止めることで、必然的にママたちが家族に優しくなれたという話もよくききます。
私たちは、産後にママたちがゆったりと過ごせる時間と栄養のある食事をとってもらうことで、産後鬱を減らせるお手伝いもできるのではないかと考えています。
不安な気持ちもすべて受け入れるのがドゥーラ
- いいなぁ……私も産後はドゥーラに頼りたかったです。
まだまだ知られていないドゥーラですが、ニーズは着実に増えています。自治体によっては利用助成もありますので、ご関心のあるかたはぜひ一度一般社団法人日本ドゥーラ協会のサイトを覗いてみてください。
ドゥーラは産前産後のケアを学んだプロ集団です。厳しい試験も乗り越えて資格を得ていますので、ぜひ安心して依頼をしてみてほしいと思います。
ドゥーラに依頼をしてみようかと考えている方へのメッセージをお聞かせください。
皆様の悩みをぜひお聞かせください。ドゥーラがしっかりお気持ちによりそってサポートします。育児書を読んでも、必ずその通りにいくわけではありません。不安な気持ちもドゥーラはすべて受け止めます。
またつわりが辛い方、二人目以降を妊娠中で上の子の世話ができないという方もぜひご利用をご検討いただければと思います。ご家族まるごと、ドゥーラが支援しますよ。
プロも選ぶおやつ「おこせん」
ドゥーラとしてこれまでたくさんの育児に携わってきたひらつかさんも「岩塚のおこさませんべい」はおすすめ。生後7カ月以上のお子様が思いがけないタイミングでお腹を空かしてしまったとき、ご機嫌ななめのとき、ママに差し上げても良いかお聞きしてさっと「おこせん」を差し出すことがあるそうです。
「安全・安心なおやつを食べてもらうことで、お子様のご機嫌を取り戻したり、時間稼ぎをしたりすることができるんですよね。『おこせん』は育児の強い味方です」
岩塚製菓は日本のお米を100%使用した「岩塚のおこさませんべい」「がんばれ!野菜家族」「がんばれ!小魚家族」をお届けすることで、皆様の子育てを応援しています。