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1歳からはじまる「イヤ!」にどう対応する?第一次反抗期の子どもとの向き合い方

イワネン
風花さん、今日はなんだかお疲れのようですね。
ふーちゃん
ついに始まったのよ、子どものイヤイヤ期が……。大好きなバナナも「イヤ!」、靴を履くのも「イヤ!」、お風呂も鼻を拭くのも寝るのも起きるのも「イヤ!」。どうしてこんなに何もかもを嫌がるのかしら。
イワネン
第一次反抗期が始まったのですね。お子様は1歳ごろから自己主張が強くなると言われています。
ふーちゃん
いつか来るとはわかっていたけれど、いざ目の前にすると途方に暮れそうになるわね。
イワネン
まずは第一次反抗期がなぜ起こるのか、どのようなものなのかを知ると向き合い方がわかるかもしれませんね。専門家に聞いてみましょう。法政大学文学部心理学科の渡辺弥生教授、教えてください!

世界中の子どもに起きるイヤイヤ期

1歳からはじまる「イヤ!」にどう対応する? 第一次反抗期の子どもとの向き合い方

子どもは1〜2歳になると第一次反抗期を迎えます。実態としては、反抗というよりも自我が芽生えて自分の意思を持つようになり、「あれがしたい」「これがほしい」といった要求が出てくるようになるのです。

よく2歳ぐらいの子が何もかもに「イヤ」と言うことを「イヤイヤ期」、言うことを聞かない子を「魔の2歳児」と呼んだりします。これは2歳になって使える言葉が増えてくることではっきりとできるようになることからそのような状態が生まれていると考えられます。

イヤイヤ期の子どもは自分のことがわからない

人間は生まれながらに自分自身のことを理解できているわけではりません。自分というものの存在は、後から表出してきますし、後からわかってきます。青年期によく「自分探し」をする人がいますが、これもそのため。自分がどう育っていくか、子どもはわからなくて当然です。

小さなお子様の場合は、一層そうでしょう。1〜2歳といえば、ようやく主体性が出てくるころ。自分がどんなことを好み、どんなことを不快に思うのかはまだよくわかっていません。だから、なぜかはわからないけれども快いと感じなかったことにはまず「イヤ」と言ってみているのです。
これまでは泣くことでしか訴えられなかった違和感を言葉で伝えられるようになったことは成長の証です。

「イヤ!」と言わない方が心配

人間は欲求を持つ動物です。だから少なからず「自分はこうしたい!」という思いを持ち、それを外部に発散させながら生きています。お子様が「イヤ!」と言って欲求を発散しているのは心が健康な証。実は喜ぶべきことなんです。

とはいえ四六時中お子様の「イヤ!」に付き合っていると、「一体いつになったら終わるのか」と考えたくもなりますよね。 第一次反抗期はお子様がもう少したくさんの言葉を覚えて、自分の思いを上手に表現できるようになると落ち着くことがほとんどです。

イヤイヤが収まらないときには、気持ちを代弁してあげる

1歳からはじまる「イヤ!」にどう対応する? 第一次反抗期の子どもとの向き合い方

お子様の「イヤイヤ!」が止まらないときには、気持ちの整理をつけるお手伝いをしてあげるといいでしょう。小さなお子様は言葉を知らないので、自分の感情の正体がわからず、また解決方法もわからないことがほとんどです。

「悔しかったのかな」「寂しかったのかな」「お腹が空くと嫌な気分になるんだね。おやつを食べてみようか」などと声をかけていってあげると、いずれ自分でも感情の正体や解決方法がわかるようになり、何もかもに「イヤ!」ということは少なくなっていきます。

概ね4歳ごろになれば、言語能力が発達するだけでなく、自分の気持ちさらには相手の気持ちもわかるようになってくるため、イヤイヤ期は収束していくでしょう。

癇癪には癇癪が返ってくる

お子様がひどい癇癪(かんしゃく)を起こすと、お父さん・お母さんもつい癇癪をおこしてしまいそうになりますが、これは悪循環の引き金になります。
お子様はいつでもお父さん・お母さんの反応を見ているもの。癇癪に癇癪で返すと、お子様はそれを真似をして再び癇癪を起こしてしまいます。

悪循環を早く断ち切りたければ、親はできる限り気持ちを落ち着け、むっとしてしまった場合は切り替えて、お子様が落ち着くのを待ちましょう。

癇癪の最中ではどんなにいいことを言ったとしても、相手には聞こえません。気を落ち着けたところで冷静に解決方法を示してあげるといいでしょう。

イヤイヤ期のお子様に腹が立ってしまったら……

「冷静に」と頭でわかっていても、親も人の子。ときには泣き叫んでばかりのお子様にむっとしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、その場から離れる、ゆっくり10数える、水を飲む、ハワイの情景を思い浮かべるなどして、気持ちを落ち着けてください。

まだ感情の正体もわからないお子様が、感情をコントロールすることはできません。向き合う大人が自分のコントロールをしましょう。

取材協力

渡辺弥生(わたなべ・やよい)

渡辺弥生

法政大学文学部心理学科教授。著書に子どもの「『10歳の壁』とは何か? 乗りこえるための発達心理学 」(光文社新書)、「まんがでわかる発達心理学」 (講談社)「中学生・高校生のためのソーシャルスキル・トレーニング スマホ時代に必要な人間関係の技術」(明治図書出版) などがある。

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