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赤ちゃん心理学:優しい子に育てるには?

赤ちゃん心理学:優しい子に育てるには?

ふーちゃん
うちの子はお子様せんべいが大好きなんだけど、ときどき私にお裾分けしようとしてくれるの。優しい子に育ってるみたい!
イワネン
1歳を過ぎるころになると、そのような親切な行動をする赤ちゃんが増えてくるようです。向社会行動(こうしゃかいこうどう)と言うんですって。
ふーちゃん
へぇ!うちの子だけじゃないんだ!優しい人になるための芽はこのころから出始めるのね。
イワネン
向社会行動についてもっと詳しく話を聞いてみませんか? 
発達心理学の専門家で『赤ちゃんの心はどのように育つのか』の著者である武蔵野大学教育学部講師 今福理博先生に、赤ちゃんの向社会行動について教えてもらいましょう。

他人のために行動する「向社会行動」の芽生えは1歳ごろから

向社会行動とは、労力などのコストをかけて他人のためにする行動です。ハムリンという研究者が行った実験では、生後6ヶ月の赤ちゃんは向社会行動の前段階となる、善悪の判断ができることが分かりました

発達心理学では向社会行動を「援助」「分配」「慰め」の3つに分類しています。

援助行動とは、届かないところにあるものをとってくれるなどの行動を指します。お子様が「おこせん」を食べ始めたころの月齢であれば、落としてしまった物を拾うのを手伝ってくれるような行動を見ることができるかもしれません。

分配行動とは自分が持っているものを他人に分け与える行動です。風花さんの言う「おこせん」を分けてくれる行動はこれにあたります。

慰め行動とは、他人がケガをしてしまったときなどに気にかける行動です。誰かの大切なものが壊れてしまったときなどにも現れます。

これらの向社会行動は1歳前半〜3歳ごろに発達することが多いと言われています。

他人のために行動する「向社会行動」の芽生えは1歳ごろから

優しさの芽を育てるには?

向社会行動をするためには共感の能力が必要になると考えられています。共感は「情動的共感」と「認知的共感」に分けられ、「情動的共感」とは相手が嬉しくなると自分も嬉しいと感じること、「認知的共感」とは相手の感情を頭で理解することです。

共感と向社会行動がどのように関連するかは未だに実証されていません。しかし、共感の発達を促すお父さん・お母さんからの「言葉かけ」は、向社会行動につながる面があるかもしれません。

この場合の言葉かけとは例えば、お子様に向社会行動が見られたときに「よくできたね」「ありがとう」などと適切な応答をして褒めてあげることです。「○○ちゃんがこんなことをしてくれたから嬉しかったよ」と状況を説明してあげるのもいいでしょう。
1歳未満のお子様は言葉の意味を十分に理解できないことが多いですが、適切に語りかけられることで向社会行動がいいことなのだと感じることもあるでしょう。

問いかけをしながら絵本の読み聞かせをすることでも向社会行動は増えるようです。生後18ヶ月と24ヶ月の幼児を対象にした研究では、「この子は今どんな気持ちかな?」などと登場人物の感情について考えさせる問いかけを多くするほど、その子どもは援助行動や分配行動をするようになることがわかりました。

優しさの芽を育てるには?

動きを真似することでも向社会行動は増える

人の動きを真似ることによっても向社会行動は増えるようです。はっきりとした理由はわかりませんが、幼児は他者と動きを合わせる経験をするとより多くの援助行動をするようになるのです。
14ヶ月児を対象に行った研究では、大人が抱っこして上体を動かし、目の前の人の動作を真似させると、真似をした人に対して援助行動を多くすることがわかりました。
また18ヶ月を対象にした研究では、相手から動きを真似された子は、困っている人をより多く助けたという結果も出ています。

このような現象は乳児や幼児だけでなく、児童期にも見られます。クラスみんなで取り組む音楽プログラムに参加した子どもは、参加する前よりも分配行動や援助行動が多くなるのです。集団でリズムに会わせて楽器を演奏することは、クラスメイトと動きを合わせる経験になります。リトミックのようなリズムに合わせてみんなで動く活動は、お子様の社会性の発達に有効かもしれません。

ふーちゃん
向社会行動をたくさんとれる優しい子に育ってほしいわ。たくさん褒めて、絵本の読み聞かせもしてあげようっと。
イワネン
お子様の成長がますます楽しみになりますね。今福先生、ありがとうございました。

取材協力

今福理博(いまふく・まさひろ)

今福理博(いまふく・まさひろ)

武蔵野大学教育学部講師。教育博士。
発達科学、発達心理学、教育心理学を専門とする。
著書に『赤ちゃんの心はどのように育つのか―社会性とことばの発達を科学する−』(ミネルヴァ書房)、『子どもの発達の連続性を支える保育の心理学』(共著、教育情報出版)、『ベーシック発達心理学』(共著、東京大学出版会)などがある。

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