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お子様とキャラクターの話:第2回 モフモフの意味とは?

みなさんはお子様の頃、お気に入りのキャラクターのぬいぐるみを離さなかったり、ヒーローやヒロインに変身したり、テーマパークでキャラクターと写真を撮ったり、好きなキャラクターに慰められたり元気をもらったりした記憶はありませんか。このコーナーでは、アニメや絵本などの物語の主人公やぬいぐるみやおもちゃなど、お子様たちが大好きな「キャラクター」をテーマに、そのどんなところがお子様たちを元気づけてくれるのか、どうつき合えばお子様たちの心の成長に役立つのか、といったことについて、いろいろなキャラクターを例にとりあげながら解説していきます。

解説者プロフィール

西岡直実(子どもとコンテンツの研究所ミッドポイント・ワークラボ代表)

アニメ番組が得意な広告会社ADKで、子供調査やアニメ番組の調査、キャラクターのマーケティング、日本版セサミストリート(テレビ東京)の番組監修などの仕事に関わったのちに独立。現在は、お子様のキャラクターや物語などの心理的な効果の研究や調査の仕事を続けながら、お子様が自分でキャラクターを考えて工作や物語づくりを行うワークショップを行っている。一橋大学社会学部卒業、放送大学大学院修士課程修了(人間発達科学)。日本子ども学会、日本発達心理学会、日本アニメーション学会、絵本児童文学研究センターなどの会員。著書『キャラクター・マーケティング』(日本能率協会マネジメントセンター)

 あなたのお子様には何かお気に入りのぬいぐるみがありませんか。最近は動物やぬいぐるみの毛のフカフカした感じを“モフモフ”などと言いますが、この“モフモフ”には、実はお子様がぬいぐるみが好きになる秘密があります。それはお子様の成長にとっても大事な要素の1つでもあります。

モフモフの意味とは?

 お母様やお父様にも、お子様の頃に、お気に入りのぬいぐるみややわらかい人形などを、よごれても肌身離さず持っていたり、親に叱られたときに抱きしめて寝てしまったり、家族で旅行などに行くときにもリュックに入れていつも持ち歩いたり、といった記憶はありませんでしたか。

 ウイニコットという心理学者によると、赤ちゃんは、最初お母さんに抱かれてお乳をもらっている間、自分とお母さんが一体と思っていますが、日がたつにつれてだんだん別の存在だとわかってきて、母親離れするときに、母親でも自分でもない、両方の中間にあるやわらかいここちよいものに安心を求めるというのです。タオルケットや毛布の場合もあります。お子様が大きくなると自然に卒業するものですが、実は大人になってからも、お気に入りキャラクターのストラップやスマホケースなどのように、形は変わっても、何かそばに置いたり身に着けておくと落ち着く、というのは同じような心理に基づいているのではないかと言われています。

 ぬいぐるみの動物の種類ですが、犬や猫などは、家で飼っていたり近所で見たり、お子様たちが身近に接する動物ですが、それ以外に、クマのキャラクターが多いのはどうしてでしょうか。 本物のクマは大人にもお子様にとってもこわい動物のはずなのですが、なぜキャラクターとして好かれるのでしょうか。

 もともと、欧米では男女問わずクマのぬいぐるみが所有されてきたという歴史がありますが、アメリカのセオドアルーズベルトという大統領が、狩りに行ったときに瀕死のクマを撃たずに助けたという話からテディベアというクマのぬいぐるみがブームになり、その後、A.A.ミルンが、息子のクリストファー・ロビンをモデルにクマの児童書を書いたことで、すっかり“かわいいクマ”というイメージが定着しました。

 今年の始め、映画『パディントン2』が公開され、並行して『生誕60周年記念 くまのパディントン展』も開催されました。クマはまさに、ぬいぐるみによってかわいいキャラクターに変貌をとげた動物と言ってもいいのではないでしょうか。

 クマに限らず、こわそうなものや、形がよくないものでも、やわらかい手ざわりや、お母さんとのやさしい時間を共有するもの、それを想像させるものであれば、お子様は大事にし、ひとり立ちするための宝物にもなるのではないでしょうか。

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